近年、タクシードライバーとして活躍する女性が増加しています。実力次第で高い収入も目指せるタクシードライバーは、力仕事も少なく、自分のペースで働きやすい仕事だといえるでしょう。
本記事では、女性がタクシードライバーという働き方を選ぶメリットとデメリット、タクシードライバーとして安心して働き続けるためのポイントなどを分かりやすく解説します。
女性タクシードライバーの1日の流れも紹介しているので、仕事を探す際の参考にしてください。
女性がタクシードライバーとして働くメリット
女性タクシードライバーの割合は、全体の3.9パーセントとごく少数です。しかし、1993年時点の1.3パーセントから年々上昇しています。
タクシードライバーとして働く女性が増えている理由としては、以下が考えられます。
プライベートと両立しやすい
タクシードライバーは、比較的プライベートと両立しやすい仕事です。勤務先にもよりますが、タクシーは24時間365日いつでも走っているため、ドライバーの希望などに応じたシフトを選択しやすいのがポイント。
ライフスタイルの変化に応じて、シフトを変えやすいというメリットもあります。
また、経験を積んだのちに個人タクシー(個人事業主)として独立した場合は、自分の好きな時間に働けます。
頑張り次第で評価を得られる
タクシードライバーは、多くの企業で歩合制が採用されています。売り上げを上げれば上げるだけ収入に直結することからも、働き甲斐がある仕事だといえるでしょう。実力次第で、高い給与を目指せます。
女性のお客様に安心して利用してもらえる
女性の中には、「男性が運転するタクシーに乗るのは不安がある」という方もいます。車の中で男性と二人きりは避けたいという女性にとって、女性ドライバーのタクシーは安心して利用できる存在です。
中には子どもの送り迎えや、妊婦さんの通院などの送迎などに活躍する女性ドライバーを派遣するサービスを行っているタクシー会社もあります。
女性がタクシードライバーとして働くデメリット
女性がタクシードライバーとして働くうえでは、以下のデメリットに留意する必要があります。
トラブルに巻き込まれる恐れがある
タクシードライバーは、毎日さまざまな顧客を目的地まで車に乗せることになります。ひとりで顧客対応を行わなければいけないため、トラブルに巻き込まれる恐れがあります。
もちろん男性タクシードライバーでもトラブルの危険性はありますが、女性ドライバーは数が少なく、力も男性に劣る場合が多いため、よりリスクが高いと考えられるのです。
ただし、最近はドライブレコーダーが進化していることや、運転席と後部座席の間に設置される防犯パネルの強化など、 ドライバーの安全を考えた対策も取られています。
不規則な生活になる恐れがある
タクシードライバーは、早朝や深夜を問わず24時間稼働する仕事です。早朝や深夜のシフトに入る場合、生活が不規則になってしまうでしょう。
こちらも性別にかかわらず発生するデメリットですが、女性の場合はとに、不規則な生活によって体力が続かなかったり、不規則な生活による肌の調子が気になったりすることも多いでしょう。
女性タクシードライバーの1日
実際の女性タクシードライバーがどのように働いているのか、1日のタイムスケジュールの例を紹介します。ここでは、一例として9~18時のシフトで提示しています。働き方を考える際の参考にしてください。
6時半 | 起床 |
7時半 | 家族を送り出す、夕食の下ごしらえ |
9時 | 出勤 |
9時~12時 | 車両点検を行い、乗務スタート |
12時~13時 | 昼休憩 |
13時~17時 | 乗務 |
17時~18時 | 洗車や売り上げ管理など |
18時 | 退勤 |
18時30分 | 帰宅 |
19時~21時 | 夕食、入浴など |
21時~23時 | リフレッシュタイム |
23時 | 就寝 |
タクシードライバーの勤務時間や働き方は、就職する企業によっても異なります。
深夜や早朝のシフトに入るのが難しい場合は、勤務時間の融通が利く勤務先を選びましょう。
育児などとの両立を積極的に応援している企業では、都合に合わせた中抜けなどができるケースもあります。
女性がタクシードライバーとして活躍するためのポイント
女性がタクシードライバーとして活躍するためには、まず、人を乗せて運転するための「普通自動車二種免許」を取得する必要があります。
二種免許は、普通自動車免許を取得して3年以上経っている人(効力停止期間を除く)が受験できます。ただし、教習を修了した19歳以上の人は、普通自動車免許取得後1年以上で受験可能です。
中には、普通自動車免許を保有している人に対して資格取得支援を行う企業もあります。普通自動車免許しか持っていないという場合には、支援制度のある企業を選ぶとよいでしょう。
また、会社によって支援制度や研修制度、福利厚生制度などが異なります。給与だけでなく、有給休暇の取得率や女性タクシードライバーの在籍率、万が一トラブルが発生した場合の安全対策などをチェックしておくと安心です。
タクシー以外に女性ドライバーが活躍できる仕事はある?
女性ドライバーが活躍できる仕事には、タクシードライバーのほかにトラックドライバーがあります。タクシードライバーとトラックドライバーの違いや、トラックドライバーがおすすめの人の特徴などを見ていきましょう。
トラックドライバーとタクシードライバーの違い
トラックドライバーとタクシードライバーのもっとも大きな違いは、「何を運ぶか」です。トラックドライバーは荷物を運び、タクシードライバーは人を運びます。だからこそ、タクシードライバーには普通自動車二種免許が必要なのです。
また、トラックドライバーが運転するのは小型から大型までのトラック、タクシードライバーはタクシーという違いもあります。
なお、タクシーの女性乗務員は令和4年度時点で3.9パーセント、女性トラックドライバーは2.2パーセントです。
タクシーよりも女性の割合が低いトラックドライバーですが、国土交通省による女性トラックドライバーの就労促進活動も行われています。
「若年層・女性ドライバー就労育成・定着化に関するガイドライン」の策定や「トラガール促進プロジェクト」といった活動によって、女性のトラックドライバーの就業環境改善や採用の活性化を期待できるでしょう。
プロジェクトに賛同している企業を選べば、働きやすい職場を見つけやすい可能性もあります。
トラックドライバーに向いている女性の特徴
トラックドライバーは、以下のようなケースに該当する女性におすすめです。
- 「ひとりで働ける環境」で働きたいと考えている
- 人を乗せるタクシードライバーは顧客トラブルが心配
- 運転が好きで長距離を集中して走りたい
- 普通自動車免許だけでできる仕事に就きたい
- 顧客を乗せることがないトラックドライバーは、顧客トラブルを避けたい女性におすすめです。
また、トラックドライバーには、短距離輸送を行う小型トラックドライバーから、長距離を運転する大型トラックドライバーまで、さまざまな種類があります。
ライフスタイルや希望に応じて、キャリアチェンジやキャリアアップをしていきたい人にも向いているでしょう。
トラックドライバーは中途採用も活発に行われているため、タクシードライバーとして経験を積んだあとキャリアチェンジを行うといったことも可能です。
タクシードライバーとしての働き方に不安を感じたり、別の道を模索したくなったりしたときは、トラックドライバーを検討してみましょう。
女性でもドライバーとして活躍できる
女性であっても、未経験からタクシードライバーとして活躍することは十分可能です。
ブランクがある人やまったく異なる業界からの転職を目指す人なども、挑戦してみてはいかがでしょうか。
顧客対応が不安な方や長距離をひとりで走りたい方などは、トラックドライバーという道もあります。
タクシードライバーからのキャリアチェンジも可能ですから、働き方の希望に合わせて選択しましょう。