トラックドライバー=男性というイメージを持たれることが多い運送業界ですが、近年女性ドライバーが増加しています。
2023年には「トラックガール」という女性トラックドライバーを題材としたドラマが放映され、運送業界以外からも女性トラックドライバーに対する注目度がアップしています。
この記事では、女性トラックドライバーの割合や給与相場、未経験でも始められるかなどについて解説します。
未経験の女性もトラックドライバーとして働ける?
トラックドライバーというと、長時間労働や重い荷物の運搬、不規則な勤務形態などをイメージされる方が多いかもしれません。
また、男性が多く働いている業界のため、出産や育児といったライフステージの変化に対応できるのかなどといった不安を抱えている方も多いと思います。
一口にトラックドライバーといってもさまざまな種類の業務があります。特に、近年ではネットショッピングの普及により小型トラックでの運送業務が増加。普通自動車免許をもっている未経験の女性でも参入しやすくなっています。
また、早朝~昼まで、夕方~夜中までなど、ライフスタイルや家庭の事情にあわせて働き方を選べるのもトラックドライバーの魅力の一つです。
未経験からスタートし、資格・免許の取得を通してキャリアアップも可能です。
トラガールとは?
トラガールという言葉をご存知でしょうか?
トラガールとは「トラック」と「ガール」を組み合わせた造語で、女性トラックドライバーのことを指します。
運送業界は慢性的な労働不足やドライバーの高齢化などといった問題に直面しており、また、男性社会のイメージが強いことから女性が参入しにくい業界でもあります。
そこで国土交通省は運送業界の活性化に向けて「トラガール推進プロジェクト」を発足。労働環境の改善やトラガールの魅力発信などをおこない、経験の有無を問わず女性が活躍しやすい業界となるよう支援をおこなっています。
女性トラックドライバーの割合
国土交通省の調べによると、全産業の女性就業者の割合が約43%であるのに対して、トラック運送業の女性就業者は約18%。そのうち、女性トラックドライバーは3%に満たないのです。
トラックドライバーの数は2021年時点で約84万人ということを考えると、女性トラックドライバーの数は非常に少ないことがわかります。
女性トラックドライバーの平均年齢
2022年度全日本トラック協会の調べによると、女性トラックドライバーの平均年齢は約45歳です。
トラックドライバーというと「力仕事」「若いうちしかできない」といったイメージを持たれることも多いですが、40代以上の女性も多く活躍しています。
また、活躍の幅は年齢ではなくスキルによって変わってくるため、自分次第で年齢を問わずキャリアアップすることができます。
女性トラックドライバーの給与相場
2022年度全日本トラック協会の調べによると、女性ドライバー(特積・普通車)の平均賃金(1ヶ月)は223,500円です。
男性ドライバー(特積・普通車)の平均賃金が325,500円であることを考えると、男女間には賃金差があります。
これには、勤続年数や運転距離の差、出産や育児などで時短勤務をしている方が多いことなどが原因として考えられます。
また、これは普通自動車を運転しているドライバーの平均賃金になるため、中型車や大型車を運転している場合の賃金とは異なります。
女性ドライバーの仕事内容
トラックドライバーの主な業務は、集荷、荷積み下ろし、配送、配達などです。
配送する品物や距離、サービスにあわせてさまざまな車種(普通車・中型車・大型車・けん引車)を運転します。
一般的な業務には、長距離輸送や担当エリア内のルート配送(企業への納品やコンビニやスーパーへの商品供給など)、宅配便や引っ越しの配送が含まれます。
所属企業によっては、宅配時やルート配送時に顧客や近隣へのセールス業務を担当することもあります。
それぞれの業界や事業内容によって求められるスキル、免許、知識が異なりますので、トラックドライバーの求人をチェックする際はその点も考慮する必要があります。
ここでは、トラックドライバー未経験の女性でも始められる運送業務の一例を紹介します。
宅配業者
配達エリア内での小型トラックを使用した配送が主な業務となります。配達先での受け渡しや荷物の扱いに加えて、配達ルートの効率化や顧客とのコミュニケーションも求められます。
レンタカー会社
レンタカーの配送や回収、顧客への車両の引渡しなど、車両の状態管理などが主な業務です。顧客とのコミュニケーション力も求められます。
スーパーマーケットや小売店
食料品や日用品などの商品輸送が主な業務となります。細心の注意を払い、商品の品質や数量を確実に管理することが求められます。
レストランや飲食業界
飲食店や外食産業では、食材の仕入れや店舗間の移動が主な業務です。食材の鮮度や品質を保つための配慮や、厨房スタッフとの円滑な連携が必要です。
建設業や工事現場
工事現場への資材の供給や廃材の撤去などが主な業務です。安全運転と物資の効率的な積み降ろし、場合によってはクレーンやフォークリフトの操作も求められます。
未経験から女性ドライバーとしてのキャリアを築く方法
免許の種類にあわせてキャリアアップが目指せるのもトラガールの魅力です。
未経験の方はまず普通車での業務からスタートし、働きながら中型車、大型車、けん引車などの免許を取得できます。
会社によっては免許取得に対する補助制度や講習があることも。車種にあわせて収入アップも見込めるため、仕事へのやりがいにもつながります。
また、ドライバーの経験を経てから管理職にステップアップすることも可能です。
資格を取得して運行管理者としての道も目指せます。自分のやる気やライフステージにあわせてキャリアを選択できるので、長く業界で活躍したい方にもおすすめです。
女性ドライバーの働きやすさも向上中
採用した女性ドライバーに長く働いてもらうために、職場環境や福利厚生を見直す企業が増えてきています。
従来の運送事業者の多くが男性メインで業務をおこなっていたため、事務所に女性専用のトイレや更衣室などが設置されていないこともしばしばありました。
しかし女性ドライバーの需要増加にともない、トイレや更衣室をはじめとして施設の改修に力を入れる企業が増加。また、未経験の方でも安心して仕事をスタートできるよう、教育や研修制度の強化に努めています。
福利厚生や勤務形態に関しても、出産や育児といったライフステージの変化にあわせて柔軟に対応できるよう、運送業界の各企業がさまざまな取り組みを積極的に進めています。
女性ドライバーは高収入も狙える!
女性トラックドライバーの需要は増加しており、職場やお客様からも重宝される存在となってきています。
未経験からスタートした場合でもキャリアアップが見込め、将来にわたって長く活躍できるのがトラックドライバーの魅力です。
運転に不安がある人は、敷地内や専用の訓練場で運転練習ができるので、まずは求人を探してみてはいかがでしょうか?