一口にトラックドライバーと言っても、保有免許によって運転できるトラックは異なり、任される仕事内容もさまざまです。運転できるトラックの種類が多いほど幅広く活躍できるため、トラックドライバーとしてキャリアアップするなら自分のキャリアパスに合った資格を取得するのもよいでしょう。
ここでは、トラックドライバーの豊富な職種やトラックドライバーが運転できるトラックの種類、転職が有利になるポイントについて詳しく解説します。
トラックドライバーの職種は種類が豊富!それぞれの仕事内容とは?
ひとくくりにされやすいトラックドライバーですが、その職種はさまざまあって、トラックの大きさや仕事内容も豊富です。ここでは、主なトラックドライバーの職種とそれぞれの仕事内容を紹介します。
大型トラックドライバー
大型自動車運転免許を持つトラックドライバーは、以下の条件を満たしたトラックを運転することができます。
サイズ(全長/全幅/全高) | 12m/2.5m/3.8m以内 |
車両総重量 | 11t以上 |
最大積載量 | 6.5t以上 |
大型トラックは一般的に「10tトラック」とも呼ばれ、車両総重量が10t以上のトラックのことを指します。
大型免許の取得には、普通免許・準中型免許・中型・大型特殊免許のいずれかを取得してから通算3年以上の運転経歴が求められるため、トラックドライバーの中でも任せられるドライバーが限られる職種です。
主な仕事内容は指定先までの配送や荷下ろしですが、大型トラックは小型・中型トラックと比べて一度に大量の荷物を運搬できるため、長距離走行の仕事が多くなります。休日出勤や車中泊になる場合もあり拘束時間が長い分、他のトラックドライバーよりも給与水準は高い傾向にあります。
中型トラックドライバー
中型自動車運転免許を持つドライバーは、以下の条件を満たしたトラックを運転することができます。
サイズ(全長/全幅/全高) | 12m/2.5m/3.8m以内 |
車両総重量 | 11t未満 |
最大積載量 | 6.5t未満 |
トラックのサイズは大型トラックと同じため、車両総重量や最大積載量によって判断する必要があります。中型トラックは一般的に「4tトラック」とも呼ばれており、トラックとして一番メジャーな種類のため需要の高い職種です。
倉庫や集配所、配送センターなどから所定の場所までの配送を主に行い、近距離から長距離輸送まで対応します。日帰りできる距離での仕事も多く、ワークライフバランスを重視する人にもおすすめです。
小型トラックドライバー
小型トラックドライバーは、以下の条件を満たしたトラックを運転することができます。
サイズ(全長/全幅/全高) | 4.7m/1.7m/2m未満 |
車両総重量 | 5t未満 |
最大積載量 | 3t未満 |
一般的に小型トラックは「2tトラック」や「3tトラック」と呼ばれることが多く、普通免許で運転できる規格の車両も増えています。現在の免許制度では、車両総重量3.5t未満、最大積載量2t未満のトラックであれば、普通免許でも運転可能です。
小型トラックは、大型トラックや中型トラックで配送された荷物を、各エリアの集配所まで運搬するのが主な仕事となります。国内の大手運送会社でも小型トラックでの配送を行っており、普通免許でも挑戦できるハードルの低さと需要の高さが魅力の職種です。
軽貨物配送ドライバー
軽貨物配送ドライバーは、比較的小さな荷物や書類を配送したり、必要に応じて指定先で集荷を行います。
軽貨物配送では扱える荷物のサイズに規定があり、荷物の幅・長さ・深さの合計が180cm以内、重量は30kgと決められています。他のトラックドライバーと比べて荷物が軽量であることから女性や高齢者でも活躍しやすい職種です。
宅配ドライバー
宅配ドライバーは、運送会社や集配所に集められた荷物を、指定先の個人宅や会社に配送したり、集荷依頼があれば個人宅や会社に赴いて、荷物を受け取ったりするのが仕事です。基本的に小型トラックを使用してルート配送を行うことが多いため、ドライバー初心者の人でも働きやすいでしょう。
最近ではネットショッピング利用者が増えていることから、スーパーマーケットから購入者の自宅まで購入品を届ける仕事も増えており、宅配ドライバーの仕事の幅も広がっています。慢性的な人手不足を抱える企業も多いため、ドライバーへの転職を考える人には狙い目の職種です。
トレーラードライバー
トレーラーとはけん引貨物自動車のことを指し、運転席部分と荷台が分離している車両のことです。けん引する車両はさまざまで、コンテナやタンクローリー、キャリアカーなど、重量があって大量の荷物を運搬します。
トレーラードライバーは基本的に夜中の長距離輸送を任せられることが多いため、車の運転が好きな人にぴったりの職種です。
トラックドライバーが運転するトラックにはどんな種類がある?
トラックの種類は荷台の特徴によって分類されており、荷物に合った適切なトラックを使用して運送を行う必要があります。
特別車両
特別車両にはダンプカーやクレーン車などが含まれます。トラックの規格や配送する荷物の中身によって必要な免許や資格が異なります。
平ボディ車
平ボディは屋根のない荷台タイプのトラックを指します。荷物を運び入れしやすく、大型の荷物でも乗せやすいのが特徴です。
バンボディ(箱車)
バンボディは荷台がアルミ製のトラックを指します。平ボディ車と異なり、箱型となっているため雨風から荷物を保護することができます。
ウイング車
ウイング車はバンボディと同じく、荷台がアルミ製の箱型になっているトラックを指します。ウイング車の場合は、荷台側面が上部に開くのが特徴です。トラックの横から荷物を運び入れることができるため、奥まで詰み入れた荷物が取り出しにくいなどの問題も起こりません。
冷凍車・冷蔵車
冷凍車・冷蔵車は、荷台に冷凍庫や冷蔵庫の機能を持ったトラックのことです。魚介類などの生鮮食品や冷凍食品を運ぶ時に用いられます。
転職が有利になる!免許や資格取得がおすすめ
トラックドライバーとして「もっと大きな仕事をしたい」「今より給料の高い会社で働きたい」と考えるなら、運転できるトラックを増やしたり、資格を取って管理職を目指すのもキャリアアップの方法の一つです。
トラックドライバーは普通免許でも活躍できますが、仕事の幅を広げるためには中型以上の自動車運転免許やけん引免許、フォークリフト免許などを取得し、運転できる車両を増やすことをおすすめします。大型トラックであればより多くの荷物を運搬できるため、経済を支えているという大きなやりがいを感じられるほか、さらなる収入のアップも期待できるでしょう。
また、資格を取って、運行管理者や衛生管理者、危険物取扱者として活躍するという道もあります。トラックドライバーとしての経験を活かし、ドライバーの業務や労働環境改善のサポートを担うことができます。
トラックドライバーの転職は今がチャンス!変わる労働環境
トラックドライバーは運転する車両が特殊になるほど体力を使うイメージがありますが、現在は自動化やシステム化が進んでおり、女性やシニアも活躍できる環境が整いつつあります。2024年4月からはトラックドライバーの年間時間外労働の上限が960時間に規制され、物流・運送業界では残業が少なく、休みも取りやすいホワイト求人が急増中です。
今後トラックドライバーの労働環境や待遇はどんどん改善されていくと予想されます。こうしたトラック業界全体の変化はトラックドライバーとしてキャリアアップを目指す人にとっては好都合と言えるのではないでしょうか。
豊富なトラックドライバーの種類から自分に合った仕事を探そう!
トラックドライバーにも豊富な職種があり、自分のスキルに応じて仕事の幅を広げることができます。「今の仕事だとあまりやりがいを感じられない」とお悩みの方も、トラックドライバーだからこそ運転できる車両の種類を知って、より自分に合った仕事を探しましょう。企業によってはキャリアアップのために教習所費用を負担する支援制度もあるので、そういった求人から探してみてはいかがでしょうか?