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長距離ドライバーの年収は?稼げる理由を解説【2024年最新事情】

片道300km以上走行するトラック運転手は、「長距離ドライバー」と呼ばれます。多くの荷物を遠方まで運ぶ長距離ドライバーは、人手不足に悩む運送業界にとって欠かせない存在です。

また、長距離ドライバーはトラック運転手の中でも特に稼げる職種として知られています。本記事では、長距離ドライバーの給与事情を調査。実際どれくらい稼げるのか、稼げる理由などを解説します。

目次

長距離トラックドライバーとは?

トラック運転手が使用する車種は、一般的に小型、中型、大型の3つに分類されます。まずは、それぞれの用途や特徴をみていきましょう。

小型トラック

小型トラックは別名「2tトラック」ともいわれ、都市部や狭い道路での配送や近距離の移動に適しています。一般的な用途としては、住宅街への配達や小売店・レストランからの商品輸送などが挙げられます。

小型トラックは車体が比較的コンパクトであるため、小回りが利くのが特徴です。普通免許を所持していれば、運転できます。

中型トラック

中型トラックは別名「4tトラック」ともいわれ、小型トラックには積載できない大きさの荷物を運送する場合に使用されます。一般的な用途としては、資材や家具の配送、産業廃棄物の回収などが挙げられます。

小型トラックより多く物を運べ、大型トラックでは進入できないルートにも行けるのが特徴です。中型免許を所持していれば運転できます。

大型トラック

大型トラックは別名「10tトラック」ともいわれ、土砂や石材、自動車などの重量があるものを運送する場合に使用されます。大量の荷物を一度で遠方まで運送できるのが特徴です。大型免許を所持していれば運転できます。

小型・中型トラックが近~中距離の運送に使われるのに対し、大型トラックは遠方への運送をメインとなります。

中でも、長距離ドライバーといわれる大型トラック運転手は、片道300km以上の距離を運転します。片道300kmは、東京を起点とすると名古屋あたりまでの距離です。目的地まで車中泊をしながら数日かけて向かいます。

長距離ドライバーの給与について

近~中距離を走行する小型・中型トラック運転手と比べると、給与が高い傾向にある長距離ドライバー。運送業界で多く採用されている給与体系をもとに、収入差が生じる理由をみていきます。

長距離ドライバーの給与体系

多くの運送会社では、「基本給+歩合給」もしくは「完全歩合給」の給与体系を採用しています。トラック運転手の歩合は売上や走行距離によって算出されるため、走行距離が長くなるほど給与が高くなる傾向にあるのです。

また、長距離ドライバーの場合は運転時間・拘束時間が長く、パーキングエリアなどで車中泊することも。この場合、別途手当(運行手当、時間外手当、休日出勤手当等)が発生するため、それらが基本給に上乗せされます。

長距離ドライバーの基本給与

全日本トラック協会の調べによると、男性トラック運転手の平均月収は39万5300円(賞与込み)です。

これは全車種を対象にした平均月収で、この平均を上回っている車種は大型車の42万1200円とけん引車の42万1200円(どちらも賞与込み)のみになります。大型車やけん引車は走行距離が長く、一週間程自宅に帰れないこともあるので、そういった理由から給与は高い傾向にあります。

出典:全日本トラック協会「2022 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」

長距離ドライバーの収入を左右するその他の要因

地域差

地域ごとに賃金の水準が異なるため、収入は変動します。都市部や交通の混雑が少ない地域では、収入が高くなる傾向があります。

荷物量

荷物の量や走行距離に応じて収入が変動する場合があります。完全歩合給を採用している場合、より多くの荷物を運ぶことで収入増加が期待できます。

勤務時間帯

日勤や夜勤など、勤務時間帯によって収入が異なることがあります。夜間や週末などの交通が少ない時間帯に働く場合、時間外手当が支払われることがあります。

運行手当

トラックドライバーが長距離を走行する場合、運行距離に応じて支払われる手当です。一定の距離を超えた場合に支給されることがあります。

時間外手当

長距離トラックドライバーは、長時間の運転や週末や祝日の勤務が必要な場合があります。これらの追加の勤務時間に対して時間外手当が支払われることがあります。

長距離ドライバーのキャリアパス

近~中距離を走るトラック運転手にとって、大型免許の取得や長距離ドライバーになることはひとつのキャリアアップとなります。では、その後はどのようなキャリアを描けば良いのでしょうか。

けん引免許を取得する

けん引免許を取得することで、トレーラーや重量物をけん引できるようになります。仕事の幅が広がるだけでなく、収入アップも見込めます。

技能者資格を取得する

フォークリフト運転技能者や危険物取扱者、玉掛作業者、衛星管理者などの技能者資格を取得するのもおすすめです。専門知識を身に着けることでドライバーとしての価値が高まります。

運行管理者を目指す

ドライバーから管理職へのキャリアアップを目指している人は、まず運行管理者の資格を取得しましょう。運行管理者は、事業所の保有する車両数に合わせて配置する人数が決まっています。そのため、運行管理者を必要とする会社は多く、転職の際にも資格を活かせます。

自動運転、法改正で長距離ドライバーの年収はどうなる?

現在日本では、自動運転の実用化に向けた実証実験が進んでいます。

一般車両のみならず運送業界でも導入が期待されており、警察庁のデータによると、2026年度以降の社会実装を目指して開発に着手しています。

自動運転を導入しドライバーそのものを無人にすることで、ドライバー不足や高齢化といった物流業界ならではの課題を解決するのが目的です。

また、2024年4月から物流業界に関わる法律が大きく改正。トラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に制限されると共に、トラックドライバーの拘束時間の上限規制も強化されました。

これにより輸送力が低下し、次第に業務をさばけなくなっていくことを「物流の2024年問題」といいます。

自動運転化や法改正による労働時間の見直しによって、今まで長距離を走ることで歩合給を稼いでいたドライバーの給与は下がってしまうかもしれません。

しかし、労働時間が減って休憩時間が増えることや、曖昧だった勤務時間が明確になり正しい給与を受け取れるようになることは、ドライバーにとってメリットでもあります。

今まで通りの給与をキープするためには働き方を見直し、資格取得などの運転以外の業務で価値を発揮することも検討しましょう。

長距離ドライバーの年収の内訳を知って公開しないキャリア選択を!

長距離ドライバーの給与事情や今後のキャリアパスについて解説しました。

従来の長距離ドライバーの稼ぎ方は走行距離や荷物量がポイントでしたが、法改正や自動運転化の影響で、今後も同じように稼いでいくには働き方を見直す必要があるかもしれません。

長距離ドライバーの稼ぎ方や給与の内訳を理解した上で、ドライバーとしてのキャリアを描いていきましょう。

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