【最短2〜3日で取得】玉掛け資格の取り方・流れを解説！忙しいトラック運転手志望者へ

玉掛け資格はトラック運転手の「隠れた必須スキル」

「すぐにでもトラック運転手として働き始めたい」「でも、資格取得のために何日も休みを取るのは難しい…」

そう考えているあなたへ、朗報です。重量物運搬の現場で高く評価される国家資格、玉掛け技能講習は、あなたの経歴や保有資格によっては、最短2日間（15時間）で取得が可能です。

トラック運転手の仕事は多岐にわたりますが、特に平ボディ車やキャリアカーで建設資材、鉄骨、重機などを運ぶ場合、積み込みや荷卸しの際にクレーンと連携して作業する玉掛けの技術が不可欠です。玉掛け資格を持っているだけで、応募できる求人の幅が広がり、資格手当で収入が安定する可能性も高まります。

この記事を読めば、玉掛け資格を費用を抑えて、最も短い期間で手に入れるための具体的なステップがわかります。

玉掛け資格とは？「特別教育」と「技能講習」の決定的な違い

玉掛け資格の学習を始める前に、まず「玉掛け」という作業の定義と、よく混同される二つの資格の違いを理解しておく必要があります。

玉掛けとは：命綱を扱う重要な作業

「玉掛け」とは、工場や倉庫、建設現場などで、クレーンや移動式クレーンのフックに荷物を吊り上げたり、吊り上げ後に外したりする一連の作業のことです。

具体的には、ワイヤーロープやチェーンなどの吊り具を選定し、荷物の形状に合わせてバランスよく掛ける技術や、クレーンオペレーターへの合図（誘導）作業も含まれます。

重い荷物を扱うため、少しのミスが重大な事故につながる可能性があり、労働安全衛生法により資格取得が義務付けられている重要な作業です。

トラック運転手が目指すべきは「玉掛け技能講習」

玉掛け作業に必要な資格には、「玉掛け特別教育」と「玉掛け技能講習」の2種類があり、作業できる範囲が大きく異なります。

資格の種類	対象となるクレーンの吊り上げ荷重	講習時間（最短）	作業範囲
玉掛け特別教育	1トン未満に限定	9時間（2日間）	扱える荷が非常に限定的
玉掛け技能講習	1トン以上を含む、全ての玉掛け作業	15〜20時間（2〜3日間）	運送現場のほぼ全てに対応

トラック運転手を目指すあなたが取得すべきは、迷わず「玉掛け技能講習」です。

なぜなら、運送現場で扱う荷物や、協力会社のクレーンは、吊り上げ荷重が1トンを超えるものが大半だからです。特別教育では作業範囲が限られ、結局仕事で使えないという事態になりかねません。

技能講習は、取得までの時間は少し増えますが、その分得られる仕事の幅と安全知識は格段に広がります。

【最短取得ロードマップ】受講コースの選び方と流れ

玉掛け技能講習を受講するための資格は「18歳以上」であることのみですが、あなたがすでに持っている免許や経験によって、講習時間を大幅に短縮できる可能性があります。これが、忙しい方にとっての最短ルートとなります。

受講コースの選択（あなたの最短ルートをチェック）

玉掛け技能講習は、保有資格に応じて以下の3つのコースに分かれます。

コース	受講時間（学科＋実技）	受講日数（目安）	対象者（講習免除の条件）
Aコース	15時間（最短）	2日間	小型移動式クレーン運転技能講習修了者、クレーン・デリック運転士免許所有者など
Bコース	19時間	3日間	玉掛け補助業務（1t未満の玉掛け作業）の経験が6ヶ月以上ある方
Cコース	20時間（標準）	3日間	上記に該当しない方（玉掛け未経験者は基本的にここ）

注目ポイント：最短「15時間（2日間）」ルート

トラック運転手志望の方の中には、すでに「小型移動式クレーン運転技能講習」を取得している方も多いでしょう。

この資格を保有している場合、玉掛け技能講習の学科の一部（クレーン等に関する知識、力学に関する知識）が免除され、講習時間が最短の15時間（2日間）に短縮されます。

もし小型移動式クレーン資格を持っていなくても、将来的に両方の資格が必要になる可能性が高いため、両方を連続で取得する計画を立てるのも効率的です。

講習と修了試験の流れ（Cコース/20時間の場合）

講習は、主に教習機関で実施され、学科と実技の2部構成です。

分類	内容	時間数
学科講習	クレーン等に関する知識、力学に関する知識、玉掛けの方法、関係法令	11時間
実技講習	クレーン等の玉掛け、クレーン等の運転のための合図	9時間

修了試験について

玉掛け技能講習では、学科講習と実技講習の後に、それぞれ修了試験があります。

学科試験： 択一式の筆記試験です。講習内容から出題されます。
実技試験： 実際にクレーンを使い、ワイヤーロープの選定や、荷物の吊り上げ、合図などの一連の作業を行います。

合格率は公表されていませんが、一般的に非常に高いとされています。なぜなら、試験の目的は「落とすこと」ではなく、「安全に作業できる知識と技能が身についているか」を確認することだからです。講師の話をよく聞き、ポイントを押さえて臨めば、まず合格できます。

気になる費用と助成金（安く早く取るための裏ワザ）

忙しいトラック運転手志望者にとって、費用は重要な問題です。玉掛け技能講習の標準的な費用と、費用を抑えるための方法を解説します。

標準的な受講費用

受講機関や地域によって差がありますが、テキスト代込みで20,000円〜25,000円程度が相場です。この費用に加えて、会場までの交通費や宿泊費がかかります。

費用を抑えるための「裏ワザ」

全額自費で支払う前に、以下の制度や仕組みを活用できないか確認しましょう。

教育訓練給付制度の活用

あなたが現在または過去に雇用保険に加入していた場合、「一般教育訓練給付制度」の対象となる可能性があります。

制度概要： 受講費用の一部（上限あり）がハローワークから支給されます。
注意点： 支給条件を満たす必要があり、また全ての教習機関がこの制度の対象となっているわけではないため、事前に確認が必要です。

会社による資格取得支援制度

これが最も費用を抑えられる「裏ワザ」です。

多くの運送会社、特にキャリアアップを重視する会社では、入社後の資格取得費用を会社が全額または一部負担する制度を設けています。

メリット： 実質無料で資格を取得でき、すぐにそのスキルを活かして働くことができます。
戦略： 就職活動の際、玉掛け資格を活かせる仕事（平ボディ、重機運搬など）を選ぶとともに、**「資格取得支援制度の有無」**を会社選びの重要な判断材料にしましょう。

玉掛け資格を活かす！トラック運転手の仕事の幅

玉掛け技能講習を修了することは、トラック運転手としての仕事の「選択肢」を劇的に広げます。

平ボディ車・ユニック車での作業に必須

一般的に、箱型トラック（バン）ドライバーは玉掛け作業を行う機会は少ないですが、以下のような運送業務では玉掛け資格が必須級となります。

建設資材、鉄骨運搬： 建築現場でクレーンを使って資材を吊り上げる際の合図と吊り具の装着・取り外し。
重機運搬： 建設機械（ショベルカーなど）をトレーラーやキャリアカーに積み下ろし、固定する作業。
重量物運搬： 大型機器や精密機械を運ぶ際、クレーン作業を安全に補助する。

これらの業務は、専門性が高い分、他のドライバー職よりも高収入を得やすい傾向があります。

資格保有による具体的なメリット

メリット	詳細
収入アップ	資格手当（5,000円〜10,000円/月程度）がつく企業が多い。
採用に有利	資格保有者は、教育コストがかからない即戦力と見なされ、採用で優遇される。
スキル証明	危険な作業を安全に行う知識があることの証明になり、会社からの信頼度が高まる。
独立性の向上	荷主やクレーンオペレーターとの連携がスムーズになり、効率よく仕事を進められる。

玉掛け資格は、トラック運転手として「稼げる仕事」を掴むための強力な武器なのです。