トラックドライバーは、未経験の50代からでもなることができます。未経験からキャリアを築くには、年齢に適した転職のポイントを押さえましょう。
本記事では、未経験の50代からトラックドライバーを目指す人に向けて、転職のポイントやキャリアの築き方を紹介します。トラックドライバーの平均年齢や何歳まで働けるかについても解説するため、トラックドライバーという業務が気になる人は、ぜひ参考にしてください。
50代からの新たなスタートに「トラックドライバー」がおすすめの理由
50代でトラックドライバーを目指す人も、多く見受けられます。しかし、「今から挑戦できるのか？」と不安に思う人がいることも事実です。実はトラックドライバーの仕事は、50代のセカンドキャリアとしてもおすすめだといえます。50代からの新たなスタートに「トラックドライバー」をおすすめする理由は、以下のとおりです。
研修が充実しているため、未経験でも始めやすい
トラックドライバーを採用した企業は、法律で「2種類のドライバー研修」を実施することが義務づけられています。トラックドライバーを目指す人は、必ず研修を受けられるため、未経験者でも始めやすいでしょう。
2種類のドライバー研修
●法定12項目…安全運転に必要な知識・技術を学べる
●初任運転者向け…未経験や入社直後のドライバー向け
初任運転者向けの研修では、実際にトラックを運転する実地研修も含まれます。
年功序列ではなく“がんばりが評価される”
年功序列を採択する企業は昨今も存在しており、社歴に応じて給与が高くなる傾向にあります。一方、運送業界は能力を重視する風潮があり、実力があれば年齢・社歴に関係なく活躍できることが特徴です。50代の未経験者であっても、がんばった分は給料などに反映されやすいといえます。
また、大型トラックのドライバーは少ないため、大型トラックを運転できるようになれば、さらに能力が評価され収入も増える傾向にあります。
体力や腕力がなくても働ける
以前は、ドライバー自身で荷物を積み込む流れが主流でした。昨今では、フォークリフトやハンドリフトを活用し、荷物を積み込むケースが多いでしょう。体力や腕力にあまり自信がなくても、トラックドライバーとして働ける仕組みが整っています。実際にミドルやシニア、主婦など体力や腕力に自信がない人も、トラックドライバーとして活躍しています。
トラックドライバーの平均年齢は？何歳まで働ける？
厚生労働省の調査によると、トラック業界で働く人のうち45～59歳が45.3％を占め。60歳以上の割合は17.5％です。トラックドライバーは、年齢に関係なく、体を動かせるうちは働ける仕事だといえます。
また、有効求人倍率（令和4年9月）をみると全職種の平均が1.20に対し、トラック運転者の平均は2.12です。平成30年度の調査結果から、令和4年9月のデータにいたるまで、常にトラック運転者の求人倍率は全職種の平均よりも上です。
トラックドライバーは常に人手不足であり、何歳でデビューをしても働き口があるといえるでしょう。また、65歳を過ぎても働き続けられるため、50代のセカンドキャリアとしてもおすすめです。
トラックドライバー未経験者がキャリアを築くには？
トラックドライバーは50代から始めても、がんばり次第で大いに活躍できる仕事です。しかし、未経験からキャリアを築く方法が分からない人も多いでしょう。ここでは、トラックドライバー未経験者がキャリアを築くための「基本的な流れ」について解説します。
運転免許を取得する
普通免許を保持していれば、2トン未満のトラックを運転できます。しかし、トラックドライバーとして働くには2トン以上の中型トラックを運転できる免許が必須です。そのため、少なくとも「準中型免許」が必要となります（※平成29年3月11日以前に免許を取得した人は、普通免許でも2トントラックの運転が可能）。
運転免許の資格取得を支援する企業であれば、入社後に支援制度を活用した上で、準中型免許・中型免許・大型免許の取得も可能です。
求人情報を探す
トラック業界は慢性的な人手不足であり、トラックドライバーの求人も増えています。50代からトラックドライバーを目指す場合には、未経験者も歓迎する求人を選ぶと良いでしょう。求人情報は、ハローワークや求人サイトなどで探せます。ハローワークへの訪問や、求人サイトでの求人探しを通じ、自分に合った内容を見つけることが大切です。
免許取得に向けた資格支援制度を設ける企業や、研修が充実している企業であれば、未経験からでもキャリアを築きやすいでしょう。
トラックドライバーとして実務経験を踏む
無事にトラックドライバーとしてデビューをはたしたら、実務経験を踏み、独り立ちを目指します。最初は、片道300km以内で実施する近距離の仕事がおすすめです。とくに、ルート配送の仕事は毎日同じ相手に荷物を届けるため、スケジュール調整もしやすいでしょう。
また、近距離の仕事は基本的に毎日帰宅できるため、体力に不安があっても安心だといえます。トラックドライバーとして活躍し、日々の仕事にも慣れたら、次の段階に進むべくステップアップを考えると良いでしょう。
ステップアップを考える
65歳以上のシニアになっても、トラックドライバーとして活躍したい人は、ステップアップを考えることも重要です。ステップアップできれば、仕事が途切れないドライバーになるのはもとより、若年層とも差をつけられます。
片道500km程度の中距離や、片道500kmをこえる長距離の仕事に挑戦すれば、給与アップが見込めるでしょう。大型トラックやトレーラーの免許を取得すれば、希少な存在になり得ます。運行管理者や衛生管理者などの資格を取得し、管理職や独立を目指す方法もあります。
50代からの転身者がトラックドライバーで成功するためのコツとは？
50代の未経験者が、セカンドキャリアとして「トラックドライバーに転身」することは可能です。とはいえ、トラックドライバーとして成功するには、50代に合ったコツを押さえる必要があります。以下のポイントを意識して行動すれば、50代からでもトラックドライバーとして成功しやすくなるでしょう。
体力的に無理のない仕事を選ぶ
まだまだ元気な50代でも、20代や30代などの若年層と比較すると、疲れがたまりやすいことは事実です。65歳以上のシニアになっても活躍したければ、体力的に無理のない仕事を選び、長く続ける方法を視野にいれると良いでしょう。
近距離配送や夜間運転のない日勤だけの仕事を選べば、無理をせずに働くことにつながります。また、荷物を積み下ろす際に、フォークリフトやハンドリフトを使う求人を選ぶのも良いでしょう。
トラックの運転免許を取得しておくとスムーズ
運転免許取得の推奨制度を用意し、入社後に「トラックの運転免許が取得できるシステム」を用意する企業も見受けられます。しかし、「トラックの運転免許所持」を条件とする求人も多いことから、あらかじめトラック用の運転免許を取得しておくとスムーズです。少なくとも、中型の2トントラックが運転できる免許を取得すると良いでしょう。
免許の取得には時間がかるため、転職を視野にいれた段階で免許取得の準備をすれば、効率的に活動できます。
若い先輩や年下の同僚も受け入れる
トラック業界は、年功序列ではなく実力主義です。実力や経験のある若い人が先輩であるケースや、同僚が年下の事例も見受けられます。自分の方が「人生の先輩だから」といって、若い先輩や年下の同僚を軽視すると、業務に支障が出る可能性も否定できません。
新しい環境に早く馴染み、少しでも早くトラックドライバーとして活躍するには、年齢に関係なく未経験者として謙虚にふるまう姿勢が求められます。
未経験の50代でもトラックドライバーになれる！
トラックドライバーの世界は、完全に実力主義です。体力がなくても仕事ができ、未経験者向けの研修も充実する背景から、未経験の50代でもトラックドライバーになれます。また、65歳以上のドライバーも多く存在するため、50代のセカンドキャリアとしても最適な仕事です。
ひとくちに「50代におすすめトラックドライバーの求人」といっても、内容は多岐にわたります。まずは多くの求人を比較した上で、自分に合った内容を見つけましょう。
