今より好待遇な会社を目指して転職活動を行っている方も多いと思いますが、業界によってアピールできるスキルや素質は異なります。とくに運送業は未経験でも応募可能な求人が多いため、ほかの求職者との差別化が必要です。ここでは、運送業の転職で重宝される人材の特徴や必要なスキル、高収入求人に合格するコツ、好印象な志望動機について解説します。
運送業の転職で重宝される人材
運送業は「未経験」や「普通免許」で応募できる求人も多い！
昨今、EC（消費者向け電子商取引）の需要が伸び、インターネットを通じてオンラインで商品の注文・購入を行うネットショッピング利用者の数が増加しています。総務省によると、二人以上の世帯の約半数以上がインターネットショッピングを利用しており、今後も運送業の需要は拡大していくことが考えられます。
その一方で、ドライバーの人手不足は深刻化し、運送を担う人材が減っているのが現状です。近年では、人手不足の大きな原因であった長時間労働・低賃金問題を解消すべく、国と業界が協力して労働環境の改善に努めており、各社ではドライバーの採用に力を入れています。そのため、運送業の求人には未経験者や女性、シニア、普通免許で応募できる場合も多いのが特徴です。
運送業に求められる人材の特徴を知ろう！
運送業の転職では、企業が求める人物像に合った強みを意識して志望動機を作成することが合格の鍵となります。運送業で重宝される人材の特徴には以下が挙げられます。
長く、真面目に働いてくれそうな人
運送業は人手不足を抱えていることもあり、長期的に働いてくれる人や責任感を持って働いてくれる人は重宝されます。
安全に関する意識が高い人
運送業はモノを無事に届けることが仕事です。高い運転スキルはもちろん、安全運転や交通ルールを遵守する人には安心して仕事を任せることができます。
研修を途中で投げ出さない人
ドライバーの研修には、初任運転手に関する研修と法定12項目の研修があり、心構えやトラック構造理解、健康、道路交通法、運転方法など幅広く学びます。研修は技能や判断力を向上させ事故を未然に防ぐことが目的のため、研修を途中で投げ出さず学習意欲のある人が求められます。
運転技術だけでなくコミュニケーションスキルもある人
基本1人作業が多い運送業ですが、職種によってはお客様とのコミュニケーションが必要になることもあります。お客様の要望を汲みとり、細やかな配慮ができる能力は運送業でも求められます。
運送業界で活躍するために必要なスキルや資質とは？
運送業界で働くなら、「運転スキル」「責任感」「マナーやモラル」のスキルセットが求められます。
運転スキル
トラックドライバーは運転が主な業務となるため、高い運転スキルを持っていることが前提です。仕事内容によっては長時間運転が続くこともあり、集中力を切らすことなく安全に運転する能力が必要となります。
また、ただ運転するだけでなく、道路標識の知識やトラックの構造理解、走行前点検などもトラックドライバーの大切な仕事です。
責任感
トラックドライバーには、お客様の大切な荷物を乗せていること、会社の信用を背負っていることの2つの責任感が伴います。小さな事故であっても損害は大きく、お客様に迷惑をかけるだけでなく、自社の信用をも揺るがすことになりかねません。そのため運送業界では、経験の有無よりも人柄が重視されることも多いようです。
マナーやモラル
トラックドライバーは安全面だけに気を付けていればいいというわけではありません。言葉遣いがきれいか、元気な挨拶ができるかなど、第一印象を大きく左右するマナーやモラルも必要です。とくに宅配ドライバーなどお客様を相手にする職種は今や接客業の一つと言えます。
責任感やマナー・モラルがあるかの判断は前職での経験が重視される傾向にあるため、保有資格、前職での表彰経験などは運転に関係なくても全て伝えるようにしましょう。
運送業界の高収入・高倍率求人に合格するには
大手運送会社など高収入が目指せる求人は人気があるため、ほかの求職者と差をつけたアピールを行うことが重要です。エントリーシートを作成する際には、「高度物流人材」の要件に当てはまるようなマインドや知識を持っていることを伝えられると良いでしょう。
高度物流人材とは？
「高度物流人材」とは、国土交通省が定めた、全体の視点から物流の効率化と高付加価値化を図るための企画・提案ができる人材のことを指します。分かりやすく言えば、人手不足という物流課題の打開策として期待される、無人・自動運転トラックや自動倉庫の実現など、物流DX（デジタルトランスフォーメーション）を推進できる担い手のことです。
高度物流人材に求められる3つの能力
高度物流人材に必要な能力は多様ですが、とくに以下の3つは重要性が高いと言われています。
デジタル化に対応し、データドリブンで思考する能力
デジタル化・データサイエンスに関する知識を豊富に持ち、勘と経験に頼らず、データに基づいた考え方ができる能力が求められます。
サプライチェーンを全体最適化の視点からマネジメントする能力
多数の関係者の理解と協力を得て、関係者全員が連携して取り組んでいくために必要となるリーダーシップのほか、部門横断的・企業横断的なプロジェクトを企画・立案し、調整・推進していくプロジェクト・マネジメント能力が求められます。
社会変化に対応し、新技術導入や異分野連携を推進できる能力
人口減少の本格化や労働力不足、デジタル化、地球環境の持続可能性確保やSDGs、感染症等への対応の要請といった社会の変化を把握し、物流にまつわる現状分析や課題設定を的確に行い、企画・立案に適切に生かす能力が求められます。
運送業の転職で好印象な志望動機はこれ！
運送業の転職で使用する志望動機を考える際には、自分が理想とするキャリアと絡めて、自分がどのように運送業界に貢献できるかを考えましょう。
例えば、人との関わりが好きな場合は、“地域住民とコミュニケーションを密に取りたい”“チームワークを感じながら働きたい”といった希望の働き方を伝えつつ、コミュニケーションが好きという資質をアピールできます。
車が好きな場合は、“趣味のドライブを仕事にして真面目にいきいきと働きたい”“自動運転などの技術の発展に興味がある”など自分の得意や興味のある分野を伝えて、業界に大きな希望を持っていることを知ってもらうことができます。
また、物流に興味がある場合は、“物流全体の効率を考えて自分に出来る役割を果たしたい”といったように将来的なキャリアを見据えていて、業界に長く携わっていきたいことが伝わります。「高度物流人材」の要件と絡めて、自分の経験や考えをアピールしてみましょう。
志望動機の書き方によっては、自分の強みと業界の求める人材にミスマッチが起こり、説得力のない内容になってしまいかねないため、転職の軸をしっかりと定めておくことが大切です。
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未経験でも、トラックドライバーに生かせる経験をアピールできればOK！
未経験からでも、トラックドライバーなら前職で培った多様なスキルを生かすことができます。ただし、人手不足が続く運送業でも、志望動機に説得力がない場合は転職が上手くいかないことも。そのため、志望動機を考える際には自己分析を徹底して行い、トラックドライバーに生かせる経験をアピールできるようにしましょう。まずは、これまでの経験が生かせそうなトラックドライバーの求人から探してみてはいかがでしょうか。
